細 胞 診 と 簡 易 摘 出 術
  細胞診とは、運悪く、お家あるいは病院において「できもの」が発見された際、「まずはとってみましょう」とすぐに手術にすすむのではなく、全身麻酔をかけることなく、「できもの」をスライドにこすりつけて、あるいは針で刺して顕微鏡にてその細胞を診断し、その「できもの」がなんであるかを検査する方法です。

な に が わ か り ま す か ?
 その「できもの」が「炎症 」であるか「腫瘍」であるか「脂肪の塊」であるいか「過形成」であるかを判断します。多くの場合、この4分類は行えます。腫瘍には悪性と良性、いずれにおいても上皮性と非上皮性、独立細胞腫瘍の3つに分類されます。お腹の中の場合には、超音波エコーガイド下にて、針をさし、その塊がどんなものであるかを判定します。

検 査 は 痛 い で す か ?
 痛みは部位によります。当院の場合、細胞を十分に採取するには21Gという太さの針を用います。こちらを刺した場合、痛みを伴う場合もありますが、多くの場合、ペットはあまり痛みを感じることなくすみやかに検査は終了します。

悪 性 or 良 性 の 判 断 は 行 え ま す か?
 行える場合と、行えない場合があります。完全に「AAA」という腫瘍ですと言い切れる場合と、「上皮性の腫瘍です」といった曖昧な場合、あるいは「BBB癌です」と言い切れる場合や「50%悪性を疑います」といった表現を用いることがあります。

結 果 が 出 る の に 時 間 が か か り ま す か ?
 院内で判断できるものであれば10分少々で判断ができます。病理医(顕微鏡診断医)の意見を併せて考慮する場合には、7日かかります。

全 身 麻 酔 は 必 要 で す か ?
 初診の際に10分程度で良性のイボは摘出することができます。ただし悪性の可能性があるときは摘出でゴールではなく抗がん剤や拡大手術が必要となります。
 ①再発の必要なし。良性、レーザー等で摘出して終わり
 ②再発の可能性あり。ただし良性、レーザー等で摘出するものの再発のリスクあり
  再発した際は小さいうちに再度簡易的な手術により再発を起こさせなくすることも可能
 ③良性であるが全身麻酔を必要とするため、局所療法を行うべきではない。
 ④良性であるが全身麻酔を必要とする。しかし心臓や腎臓病等問題があり全身麻酔をかけられないので縮小を図りたい。
 ⑤悪性を疑い全身麻酔を必要とするため、局所療法を行うべきではない。
 ⑥悪性を疑い全身麻酔を必要とする。しかし心臓や腎臓等問題があり全身麻酔をかけられないので縮小を図りたい。

 たいて上記の①〜⑥にあたるのではないでしょうか。麻酔とは行うべき時は行わなくてはいけませんので、臨機応変に考え、必要な際には全身麻酔に対する精神的な負担を医師と話し合うことで軽減しきちんと手術することも必要であると考えますし、逆に腫瘍といえばすべてに全身麻酔が必要なわけではありませんのでその点をきちんと見極めることが大切です。メールで相談する

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