ガ ン 検 診( ガンマーカー )  
 獣医臨床において悪性腫瘍の発症がきわめて多く、その早期診断ならびに治療効果判定などのあらたな診断法が模索されてきました。獣医領域ではしばしば癌の早期発見の遅延により治療開始が遅れることも多かったですが、この検査法により80%以上の確率で癌の有無を検査することができます。

検 査 手 順
 ・予約は必要ございません。
 ・12時間以上の絶食にてお連れください。
 ・お水は飲んでいただいて大丈夫です。
 ・検査費用 : 16200円( TAX含む )

悪 性 腫 瘍 発 症 時 の 早 期 発 見
 悪性腫瘍の発症部位の特定は行えませんが、早期にしかも80%以上の確率で発症を検知することができます。ガンマーカー陽性である場合には、レントゲン、血液検査、場合によってはMRIを使用し部位の特定を行います。

良 性・悪 性 の 判 別 補 助
  発症した腫瘍が悪性である場合は陽性を示し、良性であった場合、陰性を示します。たとえば、お腹に腫瘤が見つかったとしましょう。どんなオーナー様でも試験開腹は躊躇されるものです。この様な状況において、試験開腹をしないで腫瘤がなんであるかを診断する方法には針生検(エコー下にて針を利用して細胞を採取する)が適切な方法です。しかしこの検査法は完璧ではないことがあります。もしこのような針生検にて正常な細胞しか採取できなかったり、良性腫瘍と診断された場合、どのような不安が残るでしょうか。獣医師は、腫瘍の一部を採取しその結果をお伝えすることはできますが、腫瘍の一部は悪性で、腫瘍の一部は良性である可能性もあります。このような生じる原因として、針の先は大変小さく、針で刺した部分がその腫瘤全体を示すとは限らないということ。もう一つは腹部臓器などにおいては出血性の臓器もあり、針の角度を変えて何度も刺すことは危険であるため、一度の穿刺で判断される場合があるからです(腫瘍に対して針の角度を変えて何度か穿刺を行う理由:その腫瘍全体に針が行き届くこととなり、一部が良性で一部が悪性であっても両者の細胞を採取できるため)。ということから、腫瘍における細胞診をして「良性」と出た場合には、ガンマーカー測定を行い、確実に良性であるという判断を行うことでよりいっそう信頼性のある診断となります。

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転 移・再 発 の 診 断 補 助
 「治っていると思ったのに」。こんな言葉はヒトにおける癌治療の過程でもしばしば聞かれる言葉です。腫瘍があった部位はキレイに治っていても、ヒトがそうであるように、すでに同部位に再発、あるいは他臓器への転移が生じている場合があります。一度治療し終わった癌への再度のアプローチには不安があると思いますが、ガンの治療後6ヶ月、あるいは1年たったら再度の検査を行い、再発の有無を確認することが大切です。

ガ ン に つ い て の 知 識 を 深 め ま し ょ う
 ガンを時計軸におきかえて考えてみましょう。「0時」はがん細胞がゼロの状態と考えます。1時になればすでにガン細胞がわずかに存在していると考えます。ヒトの医師が最先端医療と検査能力を駆使しても臨床的にガンを発見できるのは「9時」であるとい  われています。「9時」の時点でがん細胞は1gしかありません。1gのガンを発見すると考えればそれはかなりの早期発見であるといえるでしょう。「12時」になると生体は死亡してしまいます。「12時」には驚くことに10kgのがん細胞があるそうです。つまりガンの治療とは手術、抗がん剤、その他、あらゆる方法を用いて「0時」まで戻すことになります。しかし、現在の医療技術では、現在の状態が「8時55分」なのか「1時30分」なのかを診断することはできません。つまり、「8時55分」も「1時30分」も外観上は完治しているようにみえるわけです。しかし前者ではすぐに再発が認められるでしょうし、後者は当分のあいだ再発を認めることはないでしょう。

 もっともガン因子の高い動物としてゴールデンレトリバーがあげられます。また若齢時のリンパ腫としてミニチュアダックスがあげられます。ただし世界規模でみればミニチュアダックスの若齢時のリンパ腫は少なく、日本特有だそうです。人気犬種で近親交配がすすむなかこういった現象が生じたいのではないかと考えられます。

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細 胞 診
  細胞診とは、運悪く、お家あるいは病院において「できもの」が発見された際、「まずはとってみましょう」とすぐに手術にすすむのではなく、全身麻酔をかけることなく、「できもの」をスライドにこすりつけて、あるいは針で刺して顕微鏡にてその細胞を診断し、その「できもの」がなんであるかを検査する方法です。

な に が わ か り ま す か ?
 その「できもの」が「炎症 」であるか「腫瘍」であるか「脂肪の塊」であるいか「過形成」であるかを判断します。多くの場合、この4分類は行えます。腫瘍には悪性と良性、いずれにおいても上皮性と非上皮性、独立細胞腫瘍の3つに分類されます。お腹の中の場合には、超音波エコーガイド下にて、針をさし、その塊がどんなものであるかを判定します。

検 査 は 痛 い で す か ?
 痛みは部位によります。当院の場合、細胞を十分に採取するには21Gという太さの針を用います。こちらを刺した場合、痛みを伴う場合もありますが、多くの場合、ペットはあまり痛みを感じることなくすみやかに検査は終了します。

悪 性 or 良 性 の 判 断 は 行 え ま す か?
 行える場合と、行えない場合があります。完全に「AAA」という腫瘍ですと言い切れる場合と、「上皮性の腫瘍です」といった曖昧な場合、あるいは「BBB癌です」と言い切れる場合や「50%悪性を疑います」といった表現を用いることがあります。

結 果 が 出 る の に 時 間 が か か り ま す か ?
 院内で判断できるものであれば10分少々で判断ができます。病理医(顕微鏡診断医)の意見を併せて考慮する場合には、3〜4日かかります。

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C - K I T 遺 伝 子 変 異 検 査  

犬猫に多発する(特に犬)肥満細胞腫(以下 MCT)という腫瘍があります。犬猫のMCTの一部はC-KIT遺伝子の変異が原因となっています。この検査ではC-KIT遺伝しないのある特定部位の変異(エクソン11)を検出します。つまり「C-KIT遺伝子変異陽性」と判定が出た場合には、メシル酸イマチニブを服用するだけで高い効果を得ることができます。

MCTはGRADEによってまったく異なる病気と考えることが必要です。MCTだからといって安易におおきなマージンを確保した手術をしてしまった場合、切除した腫瘍は病理組織学的検査によってGRADE1と診断されてしまえば、過剰な手術によって痛い思いをさせてしまったこととなります。またMCTは切除しにくい趾端や肛門周囲、陰茎近辺にできやすいのですが、「足先だから断脚」という選択は間違ってはおりませんが、できることならば残してあげたいというのはすべての方々が思うところでしょう。

C-KIT遺伝子変異陽性の場合には、イマチニブの服用のみで治療をすすめてまいります。他の抗癌剤と異なり、副作用はほとんどありません。また当院ではジェネリック薬品のイマチニブをご用意しております。

検 査 法
 当院では切除法あるいは吸引法を用いて検査いたします。検査法については下記の「症例」にあるような方法にて診断および治療をすすめていきます。

症例1:局所麻酔でとりきれる場合
    局所麻酔にてMCTを摘出して腫瘍を二分割し、病理診断(GRADE分け)を行います。GRADE1であれば、治療は終了で す。GRADE2以上で、オーナー様がC-KIT遺伝子変異検査をご希望であれば、検査を行います。判定結果が陽性であればイマチニブの治療を行います。

症例2:全身麻酔でないととれない大きさの場合
       下記ご希望にそって診断および治療をすすめます。

方法①:局所麻酔にて一部を切除し病理診断(GRADE分け)を行います。GRADE1であれば、全身麻酔にて腫瘍を切除します。GRADE2以上であれば吸引法(無麻酔にて腫瘍を何度か穿刺吸引する)にて細胞を採取します。あるいはイマチニブによる治療をご希望でない場合には下記「※」の治療法を選択していきます。オーナー様がC-KIT遺伝子変異検査をご希望であれば、検査を行います。判定結果が陽性であればイマチニブの治療を行います。

方法②:全身麻酔によって、GRADE1であることを想定した最低限の腫瘍摘出を行い、半分を病理診断(GRADE分け)に使用し、半分を冷凍保存します。GRADE1であれば治療は終了です。GRADE2以上でオーナー様がC-KIT遺伝子変異検査をご希望であれば、検査を行います。判定結果が陽性であればイマチニブの治療を行います。陰性であれば、下記「※」の治療法を選択していきます。

「※」イマチニブによる治療をご希望でない場合。
  MCTにはイマチニブ以外にも種々の治療法があります。代表的な方法には、抗癌剤、炭酸ガスレーザーによる拡大手術、メガボルテージ放射線、インターフェロンγなどがあります。

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I F N 検 査 ( インターフェロン - γ )  

概 略
 インターフェロン-γを腫瘍に直接、あるいは皮下注射することで腫瘍を治癒に導く方法です。ただし単独療法での完治は難しく、各 種の腫瘍の増殖を抑制、あるいは、腫瘍細胞を減少させる補助療法です。特に抗癌剤や放射線に感受性の低い腫瘍に対しては数少な い治療法の一つとなることがあります。

適 応
  扁平上皮癌
  メラノーマ
  肛門周囲アポクリ腺癌
  リンパ腫
  肥満細胞腫

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